家庭で出来る、かなりおいしいフィナンシェの作り方(続編)

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前回のおさらい

フィナンシェの作り方(前編)

家庭で出来る、かなりおいしいフィナンシェの作り方(前編)
フィナンシェってなに? フィナンシェとは、卵白・アーモンドプードル・小麦粉・砂糖・バターで作られたフランスの伝統的な焼き菓子です。 フィナンシェ (フランス語: financier)またはフリアン(friand)とは、フランス起源のバターケーキや焼き菓子の一種。17世紀にナンシーの"L'ordre des Visita...

 

フィナンシェの作り方(後編)

家庭で出来る、かなりおいしいフィナンシェの作り方(後編)
前回のおさらい フィナンシェの作り方(前編) 前回はおいしいフィナンシェを作るにあたって、どんな材料と道具が必要かについて解説しました。 材料としては、薄力粉(スーパーバイオレット)、アーモンドプードル、砂糖(三温糖)、バター(発酵バター)、卵白の合計5つが必要であり、道具としてはボウル、泡立て器、ゴムべら、フライパン...

 

前回はおいしい「フィナンシェ」をつくる前に知っておいてほしい、『焼き菓子の基本』について解説しました。

 

計量し、生地をつくり、焼成する――という、一連の流れについての優れた方法について、頭の中でイメージが出来るようになったことと思います。

 

今回は、『かなりおいしいフィナンシェの作り方』を、実際に初めて行きましょう。

 

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レシピ

当然のことですが、つくる量が違えば材料のグラム数は変わります。

 

そして、どのくらい作るかは、きっとみなさんの空腹の度合いや、どなたにあげるのかといったことで変わると思います。

よって、今回は、レシピを『卵白を100%としたときの割合』で示します。

 

 

レシピは以下の通りです。
卵白 100%
スーパーバイオレット 50%
アーモンドプードル 50%
三温糖 100%
発酵バター 100%

 

分かりやすいレシピだと思いませんか。

 

これは、『4つの材料を同じ割合で配合する』という、焼き菓子の基本に沿ったレシピです。

今回の場合『4つ』というのは、『卵』・『粉』・『砂糖』・『油』の4つです。

 

粉(小麦粉)のうち半分を、アーモンドプードルに割り当てたというわけです。

 

こういった4分割のレシピのことを、焼き菓子の世界ではよく『4同割』といって説明されます。

 

マドレーヌやパウンドケーキといった代表的な焼き菓子から、『クレームダマンド』というタルトに必須のクリームまで、この4同割の思想でつくることが可能となっており、バランスの良い基本の配合とされています。

 

小手先の微妙な数字のバランス(1桁目の数字を細かく変えたようなレシピのことです)をとるのが好きな方もいらっしゃいますが、こういったシンプルですぐに暗算可能なレシピを好む方もまた多く、特に、本場フランスの街のベーカリーなどではよく見られます。

 

 

さて、ではまず、これら材料をまず別々のボールに計量してしまいましょう。

計量したら、次の手順に移りますが、その前にそろそろオーブンの余熱を始めていても良いでしょう。

 

オーブンのタイプにもよりますが、長めの余熱が必要なタイプですと、そろそろ余熱をしておくのが良いのかもしれません。

 

 

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生地づくり

5つの材料を計量したら、さっそく生地づくりに移りましょう。

 

まず最初に計量したバターをフライパンで加熱します。

これを先にやるのは温度調整の関係です。

 

バターを加熱して『焦がしバター』をつくるのですが、これは大変温度の高いもので、つくった時点ですぐ生地と合わせてしまうと、あっという間に生地に練り込まれた卵白が固まってしまいます。

 

そうなるのを防ぐために、焦がしバターの温度を下げてから投入するのですが、なにぶん、これがとんでもない温度になってるものなので、先に焦がしバターを作って温度を調整しておくのが無難です。
(慣れてきたら、他の材料を計量するより先に焦がしバターをつくるのも、ありです。)

 

では、さっそく焦がしバターをつくっていきましょう。

大切なのは『躊躇わずに加熱し続ける』ことです。

これはとても大切なことです。勇気を持ってがんがん焦がしましょう。

 

焦げが進むと、やがてバターから蒸発する水分の勢いが弱まります。

焦がしの度合いは好みで別れるところですが、わたしはその蒸発の勢いをそれなりに殺したタイミングで火から引き上げます。

 

この時点でフライパンは、かなりの温度になっています。

そのままですとフライパンの温度自体で加熱がさらに進んでしまうので、ここでフライパンを冷ましましょう。

 

用心しながら冷ますことが大切です。

ボウルに水をいっぱい張って、その水面にフライパンの底を触れさせましょう。

 

じゅうと水が蒸発するはずです。

これを3度ほど繰り返すと良いでしょう。

そうすれば加熱は進みません。

 

これで焦がしバターを用意できました。

次に計量した材料を生地としてまとめあげていきます。

 

まず、薄力粉(スーパーバイオレット)を粉ふるいでふるい、ボウルに入れます。
(粉ふるいがなければないで問題ありません。)

 

同じボウルに砂糖(三温糖)、アーモンドプードルを加えます。

粉たちが均一になるように、軽くこれを混ぜてやります。

 

粉ものがすべて入ったところで、次に卵白を加えます。

ただ、ここで一気に加えるのはあまり良いとは言えません。

 

生地をつくる上で大切なのは、『だまをつくらないこと』です。

 

粉ものの中に卵白を一気に入れてしまうと、場合によってはだまが出来ます。

卵白を『2度か3度に分けて』加えてください。

 

加える度に生地にしっかりと卵白を混ぜ込み、均一になったらまた次の卵白を注ぎ、という手順が良いでしょう。

この手順についてはこの次でも同様です。

 

卵白を加えたら、今度は先ほどつくった焦がしバターを加えます。

卵白と比べ、油はさらに生地の乳化(生地の粒子が均一に細かく分散している状態のことです)を阻みます。

 

一気に加えると見事に分離してしまうこともあるので、ここは丁寧に3度に分けて加えましょう。

卵白同様、加える度によく生地を混ぜるといいです。

 

加えますと、これで全ての材料がひとつのボウルに入り、中で液状の生地ができあがったことでしょう。

生地が出来てから、長い時間放っておくのは良くありません。

 

フィナンシェは、乳化作用の強い卵黄の入らない焼き菓子ですので、放っておくと次第に液状の生地の水分と油分が分離してしまいます。

混ぜたあとの綺麗に乳化した生地の状態でオーブンに突っ込みましょう。

 

温度設定や時間はあくまで目安でしかありませんが、大体180度で20分でしょう。

型の大きさや生地の量、分厚さ等によっても大いに変化するので、やはり初めのうちはオーブンの前に立って、中の生地の状態をしっかりと観察することをおすすめします。

 

生地に火が通り、いい色合いになりましたら完成です。

あら熱が取れてから型から取り外し、できたてのフィナンシェを美味しくいただきましょう。

 

 

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

ここで紹介した生地の焼き方は、あまり横着のない、正統派の作り方です。

 

材料、手際、そしてオーブンの焼成具合で、おいしさは大きく変わりますが、特に焼成具合の見極めにはちょっとした訓練が必要です。

 

ぜひ1回ではなく何度もつくってみて、焼成具合で異なる味や風合いの違いを、楽しんでみてください。

きっと、満足のいく「フィナンシェ」ができるはずです。

 

 

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