シンガポール唯一の世界遺産、「シンガポール植物園」の実体に迫る

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シンガポール唯一の世界遺産

今回ご紹介するのは世界遺産、「シンガポール植物園」です。

シンガポール植物園は西暦2015年にユネスコ世界遺産に登録された、シンガポールでは唯一の世界遺産です。

 

はじめ、西暦1822年に計画されたこの植物園は、その後さまざまな経緯を経て現在の形となりました。

 

第二次世界大戦中に日本によって占領され、昭南島と名前が変わった時期も、昭南植物園として、日本の管理下で植物の栽培、研究は続けられ、戦後現在の植物園に戻りました。

そんなシンガポール植物園の魅力について、歴史を踏まえながらご紹介していきたいと思います。

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植物園の歴史

シンガポール植物園は英語ではボタニックガーデンと言います。

日本語の旅行ガイドブックなどでもこちらの表記が増えてきています。

 

また、現地のタクシーなどで行先を伝えるときにもボタニックガーデンと言いますので、覚えておいた方が良いと思います。

シンガポール植物園は、西暦1822年に初めて計画されました。

 

当初は、イギリスがアジアで集めた珍しい植物や香辛料の経済的価値を判定するための研究施設でした。

19世紀のイギリスでは、世界中から珍しい植物や新種の植物を集めるのが国家的戦略の1つとなっており、地理的にも遠い東アジアからもたらされる未知の植物はイギリス政府にも大きな利益をもたらしていたのです。

 

様々な香辛料が流入したことで、それまでのライフスタイルさえ変わってしまったヨーロッパでは、経済的価値のある植物を植民地で栽培することと、新たに発見された植物を本国へ持ち帰ることというのはイギリスだけではなく、どこの国でも重要政策の1つとなっていました。

 

この時に開かれた植物園は、そのための実験場ともいえるような存在で、西暦1829年には閉鎖されました。

 

その後、30年が経った西暦1859年に農業園芸協会によって作られたのが、シンガポール植物園(ボタニックガーデン)です。

 

開園から15年後の西暦1874年以降は国立の植物園となりました。

植物園の初代園長、ヘンリー=ニコラス=リドリーはゴムの木の栽培、ゴムの採取についての研究を続け、イギリスのマレー植民地の農場主たちにコーヒーよりもゴムの木を育てた方が良いと盛んに説いて回ったため、「ゴム狂いのリドリー」と陰口を言われていました。

 

当初は、コーヒーの方がゴムよりも大きな利益となっていましたが、工業化が進むと加工材料としてのゴムの価値は右肩上がりで高まっていき、マレー半島でもゴムの木が大々的に栽培されるようになりました。

 

そして、長年の植物園での研究の成果で、ゴム採取によって樹木に与えるダメージを小さくする採取法を発見していました。

 

この採取法によってマレー植民地のゴム農場は、大きな利益を挙げることが出来ました。

植物園が国家にもたらした恩恵はゴムの木だけではありません。

 

20世紀の中ごろからは新種の蘭の開発に力を注ぎました。

実は蘭の種類というのは、700属15000種類もあって、その鑑賞価値の高さから世界中で栽培、研究が進められているのです。

 

シンガポール植物園で開発された蘭は世界中で好評化を得て、現在では世界中に輸出されるようになりました。

 

現在でも蘭の栽培は行われていて、ボタニーセンターで繁殖しているのを見学することができます。

 

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5つのエリア

 

ナショナルオーキッドガーデン

ナショナルオーキッドガーデンは植物園が最も力を入れている蘭が栽培されているエリアです。

 

3000種類以上、5万株以上の蘭が3ヘクタールの広大な敷地を埋め尽くしていて、シンガポール植物園の中でも一番の人気スポットとなっています。

 

入場無料の植物園の中で唯一有料となっているのが、このナショナルオーキッドガーデンで、60歳未満の大人は5シンガポールドル、13歳以上の学生または60歳以上の大人は1シンガポールドルの入場料が必要です。

 

エボリューションガーデン

エボリューションガーデンはその名の通り、地球誕生からの現在までの植物の進化を見ることができるエリアです。

 

10ヘクタールの敷地内では藻やシダ植物などの原生植物から、現代の植物までの進化の歴史を見ながら散策を楽しむことが出来るようになっています。

 

ジンジャーガーデン

ジンジャーガーデンはその名の通りのショウガ園です。

 

広さ約1ヘクタールの園内に1000種類を超えるショウガが栽培されています。

また、ジンジャーガーデンにあるショウガという意味のマレー語のレストランでは、ここで栽培しているショウガを使ったメニューを楽しむことができます。

 

ボタニーセンター

ボタニーセンターでは蘭の繁殖の様子や、いろいろな植物の葉の標本の見学ができるほか、植物園全体のインフォメーションカウンターやフードコートがあります。

 

ジェイコブ=バラス・チルドレンズガーデン

ジェイコブ=バラス・チルドレンズガーデンは、慈善家のジェイコブ=バラスの寄贈で作られた子供の遊び場です。

 

西暦2007年10月に開設されたこの遊び場には、滑り台や迷路庭園などの遊具が設置されていて、子供たちがのびのびと植物にふれあって遊ぶことができます。

 

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主要なゲート

植物園に入場できるゲートは7つあるのですが、主要なゲートは次の3つのゲートです。

 

この3つのゲートでしたらタクシーに伝えてもスムーズに移動できると思います。

 

タングリンゲート

ナッシムゲート

ブキティマゲート

 

実はもともとはこの3つのゲートが正式なゲートですので、知名度も最も高くなっています。

 

この3つのゲートの内、③のブキティマゲートはMRTのボタニックガーデン駅を出て目の前ですので、MRTで移動する方はブキティマゲートからの入場を予定しているかもしれません。

 

ただ、このブキティマゲートの近くにはインフォメーションセンターも無く、一番の見どころであるナショナルオーキッドガーデンまでは歩いて30分くらいかかります。

タングリンゲートとナッシムゲートはどちらもオーチャードからタクシーに乗って7、8分程度の位置にあり、ゲート付近にインフォメーションセンターもあります。

 

ナッシムゲートには、朝早くから営業しているカフェレストランもありますので、まずはこちらで一休みしてから植物園を見て回るのもいいでしょう。

 

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最後に

近代的な都市国家というイメージがあり、その国の唯一の世界遺産が植物園というのは、ちょっと不思議な印象を受ける方が多いようですが、実はシンガポールには西暦2012年に開園した、ガーデンズバイザベイという名前の植物園もあって、どちらも地元の人々、観光客にも人気の施設となっているのです。

シンガポールは小さな国ですので、少し長めの日程を組めばゆっくりと過ごすことが出来るかと思います。

 

シンガポールは中国系、マレー系、インド系、タミル系の主要民族の他、世界各地から移民が集まっていることもあり、各国の料理や文化が楽しめるほか、巨大リゾート施設やカジノ、東南アジアの民芸品ショッピングなどを楽しむこともできます。

 

為替レートによっては、同じ日数の沖縄旅行よりも安く済む場合があり、日本人にとって人気の旅行先の1つとなっています。

 

シンガポールにお越しの際には、是非シンガポール植物園(ボタニックガーデン)にも足をお運びください。

 

 

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