南アフリカでライオンの餌食になってしまった密猟者の違法取引

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南アフリカの密猟者、ライオンの餌食に

 

 

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ほとんど食べられた遺体

南アフリカの国立公園付近で、2018年2月11日までに頭部とその他一部だけを残した遺体が発見されました。

 

これは地元リンポポの警察が、AFP通信に明らかにしたものです。

 

 

警察は被害者の身元確認はしていないが、遺体近くに銃弾のこめられた狩猟用のライフルと複数の銃弾があり、その場所が保護区であることから、密猟者であると断定しました。

 

「保護区で密猟をしていた被害者が、ライオンに襲われ殺された」というのが警察報道官からの情報です。

 

 

 

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ライオン密猟の理由

近年、リンポポ州ではライオンの密猟件数が増加傾向にあります。

 

その理由はライオンの体の一部をアフリカで、伝統的魔術や治療に利用することにあります。

 

 

しかし現在深刻なのはアジア圏で高く売れること、そしてライオンの骨の輸出が合法的にできるのは、アフリカの中でも南アフリカだけだということです。

 

 

アジア圏では漢方薬の原料としていたトラが激減したことで、代用としてライオンの骨が使われるようになりました。

 

 

骨の輸出が合法と言っても、もちろん制限はあります。
・飼育されているライオンの骨は輸出できる
・狩猟の対象になった野生のライオンの骨は輸出できる
・保護区のライオンは狩猟の対象にしてはいけない

 

 

このような制限はあっても、保護区のライオンの骨を混ぜていても分かりません。

そして今回のような密猟が後を絶たないのです。

 

 

2008年から2014年にかけての6年間で、実に4900頭以上のライオンの骨が、アジア圏(中国、ラオス、ベトナム、タイ)に輸出され、現在も1年間に1400頭分の骨が、輸出されています。

 

ライオンの骨は一頭分が約2万ランド(20万円)で取引されます。

 

 

野生動物保護団体によると、野生のライオンはアフリカ全土で2万頭ほどしか確認されず、20年前より43%も激減しているといいます。

 

このままでは、トラと同様の運命をたどり、ライオンが減ることでまた次のターゲットとなる動物が密猟されることになり、このループを止めなければ、多くの野生動物が絶滅の危機に瀕します。

 

 

 

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キャンド・ハンティング

南アフリカでは、密猟だけでなく、娯楽としての狩りも問題です。

 

俗にスポーツハンティングと言われ、狩った動物の骨や皮などを「戦利品」として持ち帰る富裕層の「遊び」です。中でもその手法が卑劣なものが「キャンド(缶詰)ハンティング」というものです。

 

 

ハンティングで殺すことを目的とされ、主にライオンが幼いころから母親と引き離され、劣悪な施設で監禁、飼育、繁殖され、年間約900頭が合法な狩りによって殺されています。

 

 

そういったブリーダーが国内に200戸もあります。

中には、遺伝子操作によって珍しいライオンを繁殖させ、利益を得ているブリーダーもいます。

 

 

 

監禁されたライオンに適齢期が来ると、薬物で弱らせ、まともに餌を与えず、フェンスで囲まれた敷地内に放ち、ハンターを至近距離まで近づけ射殺します。

 

 

人に育てられた分、人への警戒心が少なく、その上空腹で近寄ったところを殺すのです。

 

施設で育て囲いの中で一生を終わらせるのでキャンド(=缶詰)ハンティングだそうです。

 

 

 

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まとめ

今回食い殺された密猟者に関しては、自業自得といったところです。

 

仮にライオンに襲われ軽傷で済んでいたとしても、被害者自身も弁解の余地はないでしょう。

 

 

しかし問題は、多くの場合密猟が成功してしまうことです。

先に述べたライオンの骨の輸出に関する条件はあってないようなものです。

 

 

やはり、密猟を無くすには、その需要を減らす、もしくは絶つしかありませんし、買う人がいなければ、危険を冒してまで密猟する人も減るはずです。

 

国家間の貿易の話になってきますが、動物の骨などの輸入と輸出への制限を設けるべきです。

 

さらに娯楽としてのハンティングが合法というのには驚きが隠せません。

日本にも釣り堀があり、囲われた中で魚を釣って楽しんでいますが、それとはやはり別のように感じます。

 

 

釣り堀はリリースすることもあれば、そのまま食材となることもありますが、食物連鎖の一部ですし、魚とライオンでは同じようには考えられません。

 

 

スポーツハンティングを好んでしている人々に、おそらく罪悪感はないのでしょう。

そういう文化の中で生き、そういう価値観なのだと思います。

 

 

しかし、それは卑劣な行いであることを浸透させるきっかけが必要で、現実的に、ライオンの数は激減しているわけですから、そろそろ何らかの手が打たれるべきです。

 

 

囲われ、行動を制限された弱り果てたライオンを撃つのではなく、どうしてもハンティングをしたいなら、自分の足でサバンナへ出かけ、野生のライオンと対峙してみてはどうかと思います。(これはこれで問題がありますが。)

 

日本の猟師は命がけで、イノシシやシカ、クマを狙い、時に空腹を満たし、時に剥製にして崇めました。

また、増えすぎた動物を保護のために行っていることもあります。

 

 

そういった理由や気持ちがあるかないかによって、ハンティングというのはまったく別物になってきます。

 

これ以上、人間のただの娯楽として失われる地球の財産が増え続けないことを願っています。

 

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5-2:思いつき

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