ロシア人(男性)の平均寿命が短いのはなぜだろうか?

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ロシア人(男性)の平均寿命

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ロシア人の平均寿命

ロシアの平均寿命は今年の上半期で74歳に達したそうです。

意外と短いと感じましたが、昨年と比べると0.5歳伸びました。

 

また平均寿命での男女差はかなりあって、女性の平均寿命が77歳であるのに対して、男性の平均寿命は66.5歳と10年ほどの差があります。

過去にさかのぼって、ロシア帝国末期の1890年代では平均寿命は、なんと30.5歳しかありませんでした。

 

その後、ロシア革命の10年後である1927年には43歳ほどとなり、ソ連時代である1990年には60.1歳まで伸びました。

また1960年代なってやっとソ連の平均寿命が欧米諸国と同水準になったようです。

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なぜロシアの男性の平均寿命が短いのか

ロシアは、世界でもっとも寿命が短い50か国の中に入っています。

世界でも有数の長寿国である、日本の男性の平均寿命がほぼ80歳であり、それに比べると66.5歳というのはかなり短いですね。

 

さらに、男性の25%が55歳に達するまでに死亡していることも分かっています。

2000年から2005年にかけてはロシアの男性の平均寿命は、ずっと60歳を切った推移となっているデータもあります。

 

そのデータからいうと、今でこそ66歳ですが、少し前までは59歳だったと分かります。

その原因は、「ウォッカ」にあるらしいことが、最近の研究で示唆されてきているようです。

 

 

研究を行ったのは、モスコにあるロシアがん研究センターと、英オックスフォード大学、そしてフランスにあるWHO国際がん研究機関の研究者たちです。

 

彼らは、ロシア国内3都市による15万人の成人の飲酒を、最長10年間にわたって追跡調査しました。

その結果、ウォッカをより多く飲む人ほど、死亡リスクが高くなることが分かったということです。

 

 

ウォッカが誘因する死亡原因として、咽頭がんや肝臓疾患に加え、アルコール中毒、飲酒による事故なども含まれているそうです。

また、そのような人は大半が喫煙者であるため、喫煙での死亡リスクも高めているというわけです。

 

研究者の話によると、ロシアの人が大量に飲酒するのは、寒さのせいだと言う人もいるが、それは単なる言いわけであり、本当の要因は国としてのライフスタイルだということです。

つまり、ロシアの男性の平均寿命が短いのは、ロシア人の習慣によるものだということでしょうか。

 

アルコール中毒症のほかに、暴力、自殺、事故、内臓疾患(がん、肝疾患、肺炎、膵炎など)が、アルコールの大量摂取者の死亡率を拡大させているようです。

 

ロシア人の特に男性の飲酒習慣は、1990年代の深刻かつ長期にわたった景気後退、労働市場の革命、社会保障の崩壊で人々の心理的ストレスが大きかったことに起因しているともいえます。

また、法や治安を扱う国の制度が崩壊したことで、暴力的犯罪も増加しています。

 

1990年代前半だけで、男性の殺人被害者は2倍に増えたといわれます。

 

裕福な世帯の多くは、新たな民間の医療サービスを受けられますが、多くの貧困世帯では正規外の支払いを求められるため、無料の公的医療サービスは受けられない状況です。

 

その証拠に、高学歴の大卒は男女ともに寿命を回復させている一方で、初等教育卒の低学歴の男女は寿命が短くなっています。

ロシアの社会的構造が、ロシア人の特に男性の平均寿命を短くさせていたのは、間違いないようです。

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ロシア人のこれからの平均寿命

今でこそ、ロシアの男性の平均寿命は66歳ですが、2005年までは59歳ほどで、この10年間で、かなり寿命が伸びてきています。

 

近年特に、ロシアの男性で平均寿命が下がった要因に、やはり1991年のソ連崩壊後の市場経済の低迷があり、それまでの63歳ほどだった寿命がいっきに58歳程度に下がっています。

 

この時期の死亡者は例年よりも、250万人から300万人多かったと推定され、戦争や飢饉・伝染病がないのに、これほどの規模で死亡者がでたというのは、近年の歴史ではなかったと言います。

 

 

2006年から平均寿命は伸びていますが、それでも66歳という年齢は、日本ではやっと年金受給年齢に達したところであり、日本でいうとやっと仕事を退職して年金生活で楽になる頃には寿命を迎えるということです。

 

日本人との感覚のズレは、こうしたところからも分かります。

 

ロシア人の平均寿命は、2006年頃から徐々に伸びていますが、今後も伸びていきそうな気はします。

データによる推移から、今後急激に下がっていくことはないように思えます。

 

ただ、これから伸び続けて日本人並みになるかといえば、そうでない気がします。

それまでの生活習慣だったり、遺伝子の影響は大きいでしょう。

日本人の中でも地域によって平均寿命が違うのは、生活習慣や食生活の違いによるものがあるからでしょう。

 

ロシア人の平均寿命が短いのは、酒のせいだとか、そうでないとか色々と意見はあるようですが、ロシア人の酒好きは、世界的にも有名でその影響が全くないとは言えないでしょう。

 

例えば、ロシアではビールでも法律上は酒ではなく、単なる麦ジュース的な扱いでアルコール度の少ないヘルシーな飲みものらしく、昼食や通勤前にも平気で飲むそうです。

 

こうした根強い習慣から、平均寿命が決まるとすれば、ロシアの平均寿命が日本に追いつくのは、たやすいことではなさそうです。

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追記

ロシアのプーチン大統領は、任期4期目になっていますが、2018年5月大規模な経済改革を打ち出しました。

 

ロシア男性の年金受給年齢を、60歳から2028年に65歳に引き上げるというものです。

こうなると、現在の平均寿命と同じくらいの時にならないと、年金がもらえないことになります。

 

裏を返すと、2028年までには、平均寿命が延びるとみているのか、伸ばす方策があるのか、これからの政策に興味がわいてきますね。

さて、どんな策があるのか?

 

【北方領土】

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2020秋、安倍総理から菅総理に代わって、外交政策、特に対ロ政策はどうなるのか?

どうしても北方領土返還を果たしてもらいたい。
(総理の言葉として、次世代には持ち越さないと言っていっているが。)

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5-2:思いつき

コメント

  1. 肉食と白砂糖を止める、野菜を増やすと平均寿命が伸びるのでは?

    • 森本様 このたびは、記事を読んでいただきありがとうございます。
      やはり、アルコールを含めた食生活の改善が重要と考えます。