北方領土返還の進展は?
プーチン大統領の70%を超える投票率で再選を決め、さらなる長期政権が確定しました。
最近、英国とのスパイ問題やアメリカトランプ大統領との確執など孤立を深めているが、これから北朝鮮や中国との接触はあるのか?
日本も北方領土問題を抱えているので動きにくい状況です。
ここで、北方領土問題を整理してみたい。
北方領土問題の変遷
日露通好条約
1855年、日露通好条約に基づいた国境線は、択捉島とウルップ島の間に国境線を引き、樺太は両国で管理混在して両国民が住んでいた。
樺太千島交換条約
1875年、樺太千島交換条約に基づいた国境線は、千島列島全島を譲り受け、樺太をロシアに与えるもので全島放棄。
カムチャッカ半島のすぐそばにある「シュムシュ島」までは日本の領土となった。
ポーツマス条約
1905年、日露戦争の後処理であるポーツマス条約によって、千島全島はそのままで、樺太の北緯50度以南を譲り受けた。
第二次世界大戦後
1951年、世界大戦後のサンフランシスコ平和条約によって、千島列島の放棄及びポーツマス条約で獲得した樺太を放棄。
ここで問題があり
①千島列島とはどこまでか?
②当時のソ連はサンフランシスコ条約には署名していない(権利を主張できない)
現在の主張
北方領土(国後・択捉・色丹・歯舞)4島に、ロシアは軍を駐留させているのに対して、日本政府としては、当然のように領有権を主張し返還を求めている。
長年の交渉は膠着状態であったが、現安倍晋三首相とプーチン大統領の会談を重ねており、プーチン大統領の「引き分け」発言で解決に向かうかと思われた。
2016年12月、安倍首相の地元山口県長門市で、「特別な制度のもとで共同経済活動を開始することで合意」と発表した。
日本側は領土問題解決に向けての突破口にしたい。
ロシア側は経済発展のための援助を引き出したい。
それぞれの意向が見え隠れする。
解決策として
四島返還論
現在の日本政府が公式に主張している解決策。
帰属さえはっきり確認できれば、時期や状況は柔軟に対応する。
面積2等分論
歯舞諸島・色丹島・国後島・択捉島の面積を2等分して分ける考え方。
択捉島の面積が広いので択捉西部と残り3島(歯舞諸島・色丹島・国後島)が日本領となる案。
個人的にはこの考え方は、島の中に国境ができるので難しいであろう。
三島返還論
歯舞諸島・色丹島・国後島を日本領として、国後と択捉の間が国境となる。
これはわかりやすい。
二島返還論
日本の主張は、二島を先行して返還し残りを継続協議とする案。
日ソ共同宣言では引き渡しが確認されているはず。
しかし、ロシアの考え方は、歯舞・色丹の返還のみで、この問題を決着させ、幕引きとする考え方。
最後に
これまでの自民党政権が抱えていた問題で、解決の糸口は見つかっていない。
実際に住んでいた人の墓参りなどは行っているが、そこで止まっている。
ロシアの強力な軍事力の前に、日本は経済援助で対抗するしか方法がないのが、実際のところではないか。
ロシアの2枚舌には、これまで何度も煮え湯を飲まされている。
ロシアが困っている間に、経済力をちらかせて問題解決を図りたいところだが、現在そこまでロシアも困っていない。
何とかならないものか。
帰属さえはっきりさせれば、あとは・・・というのも危険だが、これを粘り強く主張していくしかないのが現状だろう。
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