農業存亡の危機を乗り越える為に相続未登記の農地について考える

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相続未登記の農地の賃貸手続き簡素化

2017年(平成29年)12月30日の農林水産省は、相続未登記の農地の賃貸手続き簡素化の骨格を固めました。

 

農林水産省によると、「相続未登記の農地」と「相続未登記になるおそれのある農地」が、93万ヘクタールあるそうです。

 

 

93万ヘクタールという広さは、九州全体の耕作面積を上回る広さです。

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相続未登記の農地の問題点

では、なぜ「相続未登記の農地」と「相続未登記になるおそれのある農地」が問題なのでしょうか?

 

現行の制度では、「相続未登記の農地」を耕作して農産物を作る場合には、法定相続人の全員の同意が必要です。

 

登記簿では、法定相続人の安否や法定相続人の居所がわかりません。

 

 

法定相続人の安否を確認して法定相続人の全員を特定し、居所を確認するだけでも大変な労力が必要です。

 

もし、居所を確認して同意を求めても即座に同意が頂けない場合の多々あるようです。

このような煩雑ことをクリアしてまで農業をしたいという方は余りいないことは想像がつきます。

 

したがって「相続未登記の農地」は、放置される場合が非常に多い理由です。

 

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農地は必要なのか?

平成28年度の、我が国の、カロリーベース食料自給率は38%で、生産額ベース食料自給率は68%です。

 

これは、国民が食べる食料の62%を他の国から輸入し、5兆1000億円の農産物を輸入しているということになります。

 

現在も我が国の「カロリーベース食料自給率」「生産額ベース食料自給率」は共に下がり続けています。

 

 

このままでは、輸入している国と戦争状態になったり、輸入している国に天変地異があると、たちまち食料不足になることが予想されます。

 

「相続未登記の農地」と「相続未登記になるおそれのある農地」の「93万ヘクタール」にも及ぶ「耕作放棄地」で農産物を作れば、食糧不足の全てとは言えませんが、食糧自給率の低下の歯止めになり上昇に転ずる有効な対策となりはずです。

(しかし、耕作する人がすぐに増えるわけではないので、すぐ上昇するわけではない。)

 

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相続登記がされない理由

では、なぜ農地の相続登記がされないのか。

 

都会の土地や、価値の高い商業地、宅地は相続登記されないと、言う話しは聞いたことがありません。

 

「相続未登記の農地」と「相続未登記になるおそれのある農地」は、田舎で不便で価値の低いものが大半のようです。

全国的に、農業後継者は減少の一途を辿っています。

 

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農業後継者の問題

どうして、農業後継者が減ってしまったのか。

 

太平洋戦争の終戦直後は、全国の農村はどこも人口が増え、どの農家もかなりの収益を上げ、都会に住んでいる人より豊かな生活をしていました。

 

それは、食糧不足が原因で食べる物の価値か高かったからです。

都会に住んでいた人が、食べる物を求めて農村に移住したり、食べる物を求めて農村に買い出しをしたことが大きな要因でした。

 

それに加え、1947年(昭和22年)から1950年(昭和25年)にかけてGHQ(連合国司令部)の強力な指揮で行われた農地改革で、地主から安い値段で農地を買い受けた小作人が自作農になり、大いに生産意欲が高まり農村はかってない豊かさを持ったのです。

 

 

しかし、農村が盛り上がった時期は長くは続きませんでした。

自作農になったといえ、小規模な農業であることには変わりがなく、都会が復興するに連れ農村から都会へ写り住む人が増えたのです。

 

また、貿易の自由化が進み海外から安い農産物が大量に輸入されると、小規模の農家では太刀打ちができなくなり、農業に従事する人を減少に拍車がかかったのです。

農業で生計を立てる人が少なくなると、農地の価格は下落していったのです。

 

 

農地を売却しても僅かな金額、農地の固定資産税を滞納しても僅かな金額という現実が、農地の相続人達に退廃的な空気が蔓延し、農地を歯牙にもかけない相続登記をしないことは当たり前という風潮が生まれたのです。

 

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相続未登記の農地を耕作する

どうすれば「相続未登記の農地」と「相続未登記になるおそれのある農地」で耕作できるのか?

 

平成26年に全都道府県に「農地中間管理機構」という別名で「農地バンク」と呼ばれる
「農地の中間の受け皿」になる組織が設置されています。

 

しかし、「農地バンク」が斡旋できる農地は、各市町村の農業委員会が戸籍資料等で相続人を捜し尽くした農地に限られています。

 

 

また、斡旋されて農地の利用権の期間は5年で、賃貸後に、新たな相続人が現れた場合には、これに対抗できるが手段がありません。

 

この大きな問題を解決するためには、利用権の期間の5年を10年に延長し、新たな相続人が現れた場合には賃貸契約が解消されないように金銭的な仕組みの整備が必要です。

 

来年の通常国会(※会期1月20日から6月18日)に農地法の改正案を提出し、農地利用の促進につながる制度の見直し早急に行うことが必要です。

 

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放置された農地を利用出来るメリット

「地主に見放されて放置された農地」に「隣接する農地を耕作する農家」は、不合理で大きな負担を強いられています。

 

お隣の畑や田んぼがお米や野菜を作らない状態になると、雑草や樹木が生い茂り「お米や野菜を作っているお隣の畑や田んぼ」にまで伸びてしまいます。

 

雑草や樹木が生い茂る耕作放棄地の地主に苦情を申し立てても、相手がいないのですから意味がありません。

 

雑草や樹木は、農作業の邪魔になるだけでなく、日当たりが悪くなったり、害虫の発生源や野生動物の住みかになったりして、「隣接する農地を耕作する農家」は大変な迷惑を被るのです。

 

埒が明かないので、「お米や野菜を作っているお隣の畑や田んぼ」の農家は「お米や野菜が収穫する」ために仕方なく、生い茂った雑草や樹木を除去するのです。

 

これには大変な労力と出費がかかります。

 

耕作放棄地となっている「相続未登記の農地」と「相続未登記になるおそれのある農地」を「隣接する農地を耕作する農家」が利用出来れば、このような不合理な労力をかけることはなくなり、耕作面積を増やすことができます。

 

食料自給率も、耕作放棄地を「隣接する農地を耕作する農家」や「生産意欲のある農家」への利用できれば、上昇することでしょう。

 

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まとめ

今回、農林水産省の取り組む「相続未登記の農地の賃貸手続き簡素化」は、日本の農業が生き残るために必要不可欠な大きな条件です。

 

我が国の食料自給率は、他の先進国と比較するとかなり劣っています。

 

 

日本の農業を、相撲に例えるならば、「土俵際」まで押し込まれている状態でしょうか。

 

我が国の農業を存亡は、今回の「相続未登記の農地の賃貸手続き簡素化」にあると言っても過言ではありません。

 

農林水産省は、我が国の農業を存亡の危機を乗り越えることを強く訴え、不退転の姿勢で関係省庁を巻き込み、政府が一丸となるムードを作り、政策の立案・実現を速やかに行うことを期待しています。

 

 

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