ETC不正通行について
ETC不正通行の実態
高速道路の自動料金システムであるETCの全国運用が、始まってから16年たちましたが、未だに、不正通行が31万件(16年度)あるということです。
そのピークは2006年で96万件発生しているわけで、3分の1に減少してはいるものの、その件数の多さには驚かされます。
内訳の大半(全体の8~9割)は、カードの挿入忘れなどのうっかりしたものですが、問題なのは意図的に不正通行する人達が、まだ存在するということでしょう。
その詳しい割合や数字は対策に支障がでる恐れがあるため、公表されてないようです。
悪質な不正通行に対しては、3倍の通行料金を支払わなければならないということですが、不正行為で処罰を受けるは当然でしょう。
ゲート付近では車両ナンバーや顔写真も撮られるのですから、簡単に逃れられると思う方がおかしいのです。
不正通行とみなされる行為とは
道路関係公団では以下の行為が不正通行とみなす旨の記事があります。
1 ETC車線において、路側表示器が「STOP停車」を表示し、開閉バーが閉じているにもかかわらず、故意に開閉バーへ衝突し通行した場合。
2 一般車線で係員の承諾を得ないまま通行料金を払わずに、通行した場合
3 ETC車載器を不正に乗せ替えて本来の通行料金を払わずに通行した場合など
とあります。
どこか漠然としている気がしますが、実際はもっと複雑化しているようです。
不正通行には大別して、意図的で悪質なケースと意図的でないついうっかりといったケースに分けられそうです。
以下にそれぞれのケースを見ていきます。
意図的でないうっかりした原因
まず意図的でなく、うっかりした行為によって不正通行と見なされるケースですが、その中にはカードを挿入しているにも関わらず、カードが期限切れの状態で使用していたといったものがあります。
このケースは意外と多いようで、この辺も不正通行の件数を増やしている要因なのではないかと思われます。
その他、カードを挿入したつもりで、実際はカードを未挿入のままETCのゲートを通過したケースも多いでしょう。
ただ、カード未挿入で通過した場合でも、高速道路会社へ電話してカード番号を告げることで料金の支払いが可能なようです。
それもあくまでも緊急措置であり、当然ながら本来は高速道路を使用する前にカードは挿入しておかなければなりません。
私も高速道路を使用することがありますが、頻度的には少ない方なので高速道路に乗るという日には、なるべくスタート前にカード挿入をするようにしています。
カードを挿入し忘れるケースとしては、ドライブの途中で予定を変更して高速道路を使う時や、カードを入れたつもりがうっかりカードを挿入し忘れてETCのゲートに進入してしまうといったこともあるようです。
以前、ETCカードを挿入して高速道路のゲートを通過しましたが、間違って一般用のゲートを通過していたのに気がつかず、そのまま走行したことがありました。
こちらのうっかりしたミスとはいえ、料金カードを受け取らなかったため出口ゲートで止められたのですが、こちらは普通にETC用ゲートを通過したつもりでしたから最初は何が起きたのかも分かりませんでした。
ETC用のゲートと一般用ゲートは各料金所で左か右かが決まってないようで、日頃行かない場所だったため、ついいつものように右側の一般ゲートを通過してそのまま出口まで走ってしまいましたが、こういったケースも案外多いのかもしれません。
また、カードの期限切れも大きな不正通行としてカウントされますから、定期的なカードの期限確認も必要でしょう。
それから車を乗り換えた場合は再セットアップも必要ですが、そうしたことへの知識不足も不正通行の要因になっているようです。
悪質な不正通行のケース
不正通行の大半はついうっかりのケースなのですが、それ以外つまり意図的で悪質な不正通行も未だにあるようです。
料金所で通行料金を払わずに強行突破した場合は、典型的な悪質行為と見なされて間違いなく逮捕されますし、それ以外にも通行区間の虚偽申告などの不正通行も3倍の通行料金を払う義務を負います。
平成17年10月1日から「道路整備特区別措置法」が改正されました。
特措法といいますが、「特措法大24条3項に基づき当社が定めた通行方法を違反して道路を通行した自動車その他の車両の運転手は、特措法第59条に基づき30万円以下の罰金が科せられます。
また、不正に通行料金を逃れた通行車に対しては、特措法第26条に基づき免れた通行料金と割増金を徴収します。」
とあります。
いずれにせよ、不正通行して簡単に免れられないのが当然であり、不正通行してびくびくするよりも、正当な支払いをすればいいとは思うのですが、そうした悪質な不正通行はなかなか減らないようです。
やや巧妙な手口としては、通行料金の安い車両でセットアップしておいたETC車載器を通行料金の高い車両に乗せ替えて通行するという手口がありますが、その手口があからさまになった以上は高いリスクを伴うのは当然でしょう。
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