ヘアドネーション
気軽にボランティアをする方法の一つとして、ヘアドネーションがあります。
ヘアドネーションとはアメリカで始まったボランティア活動で、長く伸ばした自分の髪の毛をウィッグにするために寄付する、というものです。
世界中には病気のため、髪の毛が抜けてしまった人がたくさんいます。
がん、無毛症、事故によるもの・・・。そういった人たちに必要なカツラやウィッグを「医療用ウィッグ」と言います。
医療用に限らず、ウィッグやカツラは本物の毛で作ったほうが高品質なのですが、一般的に流通しているウィッグは大人用のものがほとんどで、小児用でまた本物の髪の毛で作ったウィッグは非常に高価なものになってしまっているのが現状です。
そういった現状を打開するために生まれたのが、自分の切った髪の毛を医療用ウィッグとして寄付する活動「ヘアドネーション」です。
JHD&C(Japan Hair Donation & Charity)
日本で18歳以下の子どもたちに、完全無償でウィッグを提供している団体です。
こちらでは31cm以上の髪の毛の寄付を呼び掛けています。
カラーやブリーチ、パーマをかけていても問題なく、軽く引っ張っただけで切れてしまうような状態でなければ、性別・国籍も関係なく、白髪でも寄付できます。
完全に乾いていることや切り方が重要になってくるので、こちらの団体の活動に協力している「賛同サロン」で寄付したいことを伝えて髪の毛を切るか、賛同していない美容院でも、活動に協力してくれるところで髪を切るほうがスムーズに寄付できると思います。
31cm未満でも美容師さんの練習のためのウィッグを作り、それを転売することで得た利益を制作費として利用されているので、無駄にはなりませんが、医療用ウィッグのためにという思いがあるのであれば、31cm以上をお勧めします。
こちらのサイトでは、活動を直接応援するための募金もすることが出来ます。
つな髪
こちらも子どもたちのための医療用ウィッグを提供している団体です。
こちらでは15cm以上31cm未満の髪の毛は、キャップ付きのウィッグとして利用されています。
31cm寄付するまで伸ばそうと思うと時間がかかるので断念していた方には、こちらをお勧めします。
こちらでは敏感な頭皮を持つお子さんに、オーガニックコットンをベースにしたウィッグや、スポーツも可能なウィッグなど4種類のウィッグが用意されています。
1人1人に合わせた髪型に
医療用ウィッグが欲しい人も、それぞれ同じサイトから申し込みができます。
どちらの団体も、申し込んだお子さんそれぞれの頭の形に合わせて作成してもらうことが出来ますし、ウィッグを着けてからも好きなヘアスタイルにカットしてもらえるようです。
やはり見た目で印象はかなり変わります。
その中で髪の毛というのは、大きな部分を占めています。
病気になったこと、今も治療中であること、そんな辛い気持ちを抱えているお子さんや家族には、自然で自分らしい髪型に出来る医療用ウィッグは、少しでも前を向く希望になると思います。
医療用ウィッグが出来るまで
JHD&Cでは「JIS規格適合小児用メディカル・ウィッグ」を提供しています。
こちらで作成されている「Onewig」は、メッシュ状のウィッグネットに髪の毛を半分ぐらいの長さで折り返しながら、一本一本結びつける製法で作られているのですが、半分ほどで折り返すため、31cmの髪の毛でも約半分のボブスタイルにしかなりません。
この製法で作ることで、髪の毛が抜けるのを防止し、頭皮への刺激を減らすことができます。
ロングヘアのウィッグを作成するためには、50cm以上の長さが必要となってきます。
ロングヘアのウィッグを希望される方もいるようですが、ウィッグが出来上がるまではかなりの時間がかかっているようです。
まとめ
ボランティア活動をしたいと思っていても、困っている人達がいる現地に赴いて活動をするのは、体力的にも時間的にも難しいことが多いですし、病気の方の助けになること、というのは、医者・看護師でなければ何もできません。
でも、ヘアドネーションや献血といったボランティア活動もあります。
こういったものであれば、自分の少しの空いている時間に困っている人の役に立つことが出来ます。
実際、現在JHD&Cでウィッグを待っている方は、200人ほどおられます。
欲しい方でも出来れば1つではなく、色んな髪型に挑戦できたらもっと嬉しいと思うのですが、一つのウィッグを作るにはかなりの数の寄付が必要なので、なかなか欲しい方全員に届くには時間がかかるようです。
現在も、この活動はどんどん広がりを見せていて、賛同する美容院も増えてきています。
数年前から芸能人の方も、ヘアドネーションで寄付する方が増えてきました。
柴咲コウさん、水野美紀さん、ダレノガレ明美さんなど、寄付したことをブログ等で紹介しています。
小林麻央さんもブログで言及したことがありました。
年齢や性別にとらわれることなく出来るヘアドネーション、自分が体験すること、そして周りの人にこういった活動があることを広めること、寄付やボランティアがもっと自然に簡単に出来るようになってほしいと思います。
誰しも今は健康でも、将来的に何が起こるかは分かりません。
自分が役に立てることが何かあるのであれば積極的に活動して、それが困っている人の笑顔につながると良いと思います。
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