「99.9」TBS系、「BG」テレビ朝日系
高視聴率ドラマが暗示するテレビの危機
最近のドラマは、松本潤さん主演の「99.9」や、木村拓哉さん主演の「BG」が視聴率10%以上を記録しており、好調をキープしています。
しかしその他の作品は10%以下の視聴率に止まり、明暗が別れているそうです。
これらのヒットしているドラマに共通しているポイントは、「一話完結の事件・問題解決のドラマ」です。
しかし、「それがテレビにとって危機を迎えているのではないか」を考えてみます。
小さなヒット狙いのテレビ
今時連続性のあるドラマは一度見逃したら終わり、翌週見る頃には忘れている事もあるため、たとえ翌週見逃しても、その都度一話完結するドラマが、テレビドラマの視聴率を支えているという事です。
ただこうしたヒットにも、テレビ界としての課題があり、「人の心を揺さぶるような大きなドラマではない」という事だそうです。
「大きな失敗のリスクのない小さなヒット」狙いをする事で、なんとか視聴率を保っています。
この流れが今後も続くと、視聴者が徐々に飽きてきてテレビ離れが加速し、業界そのものが衰退してしまう危機をはらんでいると、ニュースに書かれています。
確かにこの記事の言うように、テレビを見る時間はどんどん減っていて、スマホやタブレットなどのフォーマットで、手軽に視聴する流れになってきているように思います。
スマホやタブレットの視聴は録画が必要なく、いつでもみたいときに見られると言うことが、特徴や強みとしてあげられます。
それに対してテレビは、ストーリー生のあるテレビドラマの場合、決まった時間に放送され、視聴時間が限定的であり、テレビという家の中での視聴に限られてしまう為、なかなか継続して見続けるという事が、難しくなっているのではと思います。
さらに「刑事モノ」や「恋愛モノ」など形は違えど、ストーリー的には似通っていて俳優が違うだけのドラマが非常に多いような気がします。
それが、視聴者の飽きの原因になっているのかなと思います。
視聴率という数字
それもこれも視聴率という指標に対して、意識しすぎた結果なのではないかと思います。
確かに視聴率を獲得することは大切だと思いますし、テレビ局にとっての一つのステータスだと思います。
ただあまりにも視聴率を追い求めた結果が、今の「一話完結の事件・問題解決のドラマ」を量産している原因にもなっていると思うので、視聴率を意識しすぎるのも問題なのではと思います。
まあ、視聴率が取れないことには、CMが付かない、あるいは単価が低くなってしまう、などの問題があることは事実です。
若手俳優に挑戦の場を
またもう一つの視聴者の飽きの原因として、どのドラマを見ても似たような俳優が出演していることが一因だと思います。
ジャニーズや人気俳優は確かに出演するだけで、それ目的で視聴しているファン層を獲得することが出来ますが、一方で若手俳優がなかなか伸びてこない、原因にもなっているのではないかと思います。
若手俳優にチャンスがないことで、競争が生まれにくい環境が出来上がっていて、どうせ主演にはなれないという、ネガティブな気持ちの若手俳優も多いのではないでしょうか。
そうならないためにも、テレビ局は若手俳優を積極的に起用して、より質の高い演技、ドラマを制作することに力を注いだ方が、テレビ業界の今後のためにもいいのではと思います。
テレビの優位性
もし今後このまま同じような路線で、ドラマを作り続けるとより視聴者のテレビ離れは進んでいき、結果的に視聴率も低迷していってしまうと思います。
ただテレビというデバイスは、スマホ・タブレットと比べて、まだまだ優位性はあると思っています。
テレビは大体10チャンネル前後であるのに対して、スマホはアプリを入れることでたくさんの番組を視聴出来ます。
これは便利な反面、視聴者がより分散されやすい側面も持っています。
テレビよりも多くのパイを奪い合ってしまい、一つのサービスは伸びにくいのかなと思います。
対してテレビは各家庭に一台あり、10チャンネル前後という限られた条件で勝負することが出来ます。
無数の番組と競争するより、10チャンネル前後という限られた場所で勝負する方が、勝つ確率は上がります。
多くの商品がより品質の良いものが好まれるように、テレビドラマもより良いものが、今後評価されていく流れを、作られていくのではないかなと思います。
もちろん「一話完結ドラマ」も単純に楽しむものとしてあっても良いとは思いますが、中身の濃い・現代社会に訴えかけるような良質なドラマも一方で必要なのかなと思います。
テレビドラマから20代主演俳優が消えた理由
さらにこんな記事もあります。
主演を務める俳優の平均年齢が、40歳を超えているそうです。
テレビ全盛期を支えてきた俳優が、そのまま年をとり今も一線で活躍し続けています。
さらにターゲットの視聴者も中高年を意識しているようで、そのために年齢の近い40代を起用すことが多いようです。
このことからも若手の俳優にとって、障壁が高い原因になっているのかなと思います。
しかし仮に数年後、10年後を考えると、もっと若手の俳優の育成に力を注いだ方が良いのではないかなと思います。
そしていかに若年層を取り込んでいけるか、中高年受けだけではなく若者に見てもらうことで、より新しい議論や話題が生まれやすくなり、より良いコンテンツ作りに力を注げるのかなと思います。
まとめ
テレビ業界は視聴率に振り回されずに、社会に問題提起できるようなドラマや、若手俳優の積極起用によって、メディアを盛り上げていっていけると良いのかなと思います。
またより良いコンテンツを作り上げ、「面白いテレビが戻ってきた」と言われるようになってほしいと思います。
これからの未来を担っていく若者に多くのチャンスを与え、テレビ界の未来を明るいものにしていって欲しいものです。
コメント