化石燃料の埋蔵量
ここ最近の世界事情(インド・中国・新興国)でエネルギーの増大がある。
今回は、温暖化の原因とされている化石燃料を考えてみます。
エネルギーの増大により、化石燃料の価値は向上しており、世界各国が資源の確保と開発に乗り出している。
こうした中、今までの主流である原油のみならず、シェールガス、シェールオイル、オイルサンドなど新しい化石燃料の資源開発が進んでいる。
また、昨今では、メタンハイドレードという天然ガスが、日本近海に大量に眠っているという。
開発には、まだまだ技術的な課題が残されている。
世界のエネルギー事情を一変させる可能性を秘めている。
しかし、新たな資源開発は環境に大きな負担をかけてしまい、違った問題も秘めている。
原油・天然ガス・石炭の埋蔵量
原油は中東と北米大陸、天然ガスはユーラシア大陸に点在しているが、石炭は世界各地に幅広く埋蔵が確認されている。
(BP Statistical Review of World Energy 2017)
(2016年末時点)
原油のシェア
1位 ベネズエラ 3,009億バレル 17.6%
2位 サウジアラビア 2,665憶バレル 15.6%
3位 カナダ 1,715憶バレル 10.0%
生産量は少ないが、サウジアラビアよりもベネズエラのほうが埋蔵量が多いとされている。
ベネズエラは、世界一の原油埋蔵量であるが、埋蔵量の割には生産量は少なく、増産の余地はある。
しかし、現政権の失政による経済危機や、政権不安などもあり、開発が停滞している。
カナダは、オイルサンドの原油埋蔵量が過半とされている。
オイルサンドを回収するには、大量のエネルギーを使うとされ、温室効果ガスの排出が問題となる。
天然ガスのシェア
1位 イラン 33兆5,000億㎥ 18.0%
2位 ロシア 32兆2,710億㎥ 17.3%
3位 カタール 24兆2,991億㎥ 13.0%
埋蔵量の大半は中東で占めており、ロシアにも多く(約1/6)ある。
貯蔵・輸送のために、天然ガスを冷却して液体にしたものが、LNG(液化天然ガス)と言われている。
石炭のシェア
1位 アメリカ 2,516憶トン 22.1%
2位 中国 2,440憶トン 21.4%
3位 ロシア 1,604憶トン 14.1%
原油や天然ガスよりも温室効果ガスの排出は多いが、世界各国で発電用に用いられており、依然として重要なエネルギーである。
その他
シェールガス
1位 中国 31.6兆㎥ 14.7%
2位 アルゼンチン 22.7兆㎥ 10.6%
3位 アルジェリア 20.0兆㎥ 9.3%
(米エネルギー省エネルギー情報局)
意外かもしれないが、アメリカは3位までに入っていない。
(4位 17.6兆㎥)
現在の技術で採掘可能な世界の埋蔵量は、214.5兆㎥とされている。
これには、採算性や環境負荷などは考慮されていない数値である。
また、フランスなどの欧州各国の中では、環境影響を考えて採掘を禁止している国もある。
新技術の開発や環境負荷が小さくクリアされれば、エネルギー勢力図を大きく変える可能性がある。
メタンハイドレート
低温高圧の条件で、水分子にメタン成分が取り込まれて、氷状態になったものを「メタンハイドレード」という。
このメタンハイドレードに火気を近づけると、燃焼してあとには水のみが残る。
そのため、「燃える氷」と呼ばれている。
シベリアの永久凍土や、日本近海の海底に大規模に確認されている。
日本にとっては、技術が進歩し開発ができれば、世界有数の「夢の資源国」になりうる可能性がある。
最後に
新興国をはじめ、世界のエネルギー総量は、まだ増え続ける。
いまだ、化石燃料に頼らざるを得ないこともあり、資源保有国のみならず、世界各国が資源の確保や開発に乗り出している。
温暖化の問題と相反する問題でもあるが、エネルギーの需要は増大することは確実で環境には大きな負荷がかかってくる。
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