アンコール遺跡6選
今回は、カンボジアの中部~北部に位置し、アジア圏のみならず世界中から観光客が集まるアンコール遺跡群です。
日本では代表的な遺跡であるアンコールワットやアンコールトムが有名ですが、世界遺産には「遺跡群」として登録されているだけあって、この2つ以外にも魅力的な個性あふれる遺跡がたくさんあります。
この記事では、カンボジアに行ったときには1度は見ておきたい、魅力的なアンコール遺跡を6つご紹介します。
アンコール遺跡群とは
まず初めにアンコール遺跡群の概要を説明します。
アンコール遺跡群とは、9世紀頃からその時の王によって建てられた施設が集まったクメール王朝の首都の跡であり、特にアンコールワットを築いたスーリヤヴァルマン2世と、アンコールトムを築いたジャヤーヴァルマン7世が、建築に大きく関わったとされている遺跡群です。
遺跡の大部分が、宗教関連施設で占められているのが特徴で、王宮や貯水池といった例外もあるものの、その多くを仏教またはヒンドゥー教の寺院が占めています。
それではアンコール遺跡群のおすすめの遺跡を紹介していきます。
おすすめのアンコール遺跡6選
王道の遺跡3選
まず初めに、アンコール遺跡群を観光する際の鉄板ともいえる王道の遺跡を3つご紹介します。
アンコールワット
12世紀初頭にスールヤヴァルマン2世によって創建された、ヒンドゥー教寺院兼宮殿施設(現在は仏教寺院)で、言わずと知れたアンコール遺跡群を代表する遺跡です。
カンボジアの象徴ともいえる寺院であり、カンボジアの国旗にも描かれているほか、現在もカンボジア王国の公式行事がアンコールワットの王宮内で行われています。
内線時には砦として使用されたこともあって弾痕が随所に残されているなど、遺跡の一部には破壊の跡や戦争による損傷が見られますが、各国の支援による修復作業が進んでいることもあってその美しい外見は保たれており、内部にも神話を表した多くのレリーフや彫刻が残っています。
観光客には朝日を見るスポットとしても人気があり、中央に位置する第三回廊と中央塔の間から昇る朝日は最高の風景ですので、早朝にも訪問することをお勧めします(ツアーの場合はアンコールワットの朝日見学が含まれていることもあります)。
アンコールトム
ジャヤーヴァルマン7世によって12世紀末に建造されたと言われる城砦都市遺跡で、数あるアンコール遺跡群の中でも、アンコールワットと並んで世界的に有名な遺跡の1つです。
およそ200ヘクタールにも及ぶ広大な面積を有する都市遺跡であるため、内部に大小多数の寺院などの遺跡が残されていますが、中でもおすすめなのが中央に位置するバイヨンです。
バイヨンとはヒンドゥー教と仏教混交の寺院跡であり、クメールの微笑みと呼ばれる人の顔をかたどった四面像があることで知られています。
この紙面増は1.7~2.2m程の高さがあり、間近で見るととても迫力があるのでアンコールトムを訪れる際はぜひ立ち寄ってみてください。
なお、ツアーの場合は、バイヨンへの訪問が日程に組み込まれていることが多いです。
タ・プローム
長らくジャングルに放置されていたことから、ガジュマルの一種であるスポアンという植物に浸食されている、仏教僧院から後にヒンドゥー教寺院に改装された遺跡です。
大きな幹を持つ木に飲み込まれつつもその形を保っている遺跡は迫力満点で、日本の旅行会社のツアーには超有名なアンコールワットとアンコールトムと一緒に必ずと言っていいほど組み込まれています。
「人の手は入れない」という保存方針がとられており、遺跡のあちこちにスポアンが絡みついて遺跡を崩壊させていながらも、浸食を食い止める措置を行うことなく放置されていますが、浸食の進行によってその方針も限界に達しているとされており、今後の方針については議論が交わされているところです。
余談ですが、ガジュマル系の植物は、幹や枝の内部がスカスカであるために育つのが早いという特徴を持っており、おまけにアスファルトをも突き破るほどの生命力を持っていることもあって、あちこちでこのような遺跡の浸食を行っています。
その他のおすすめ遺跡TOP3!
ここからは、主要な3つの遺跡とは別の特色あるアンコール遺跡を、おすすめ順にランキング形式で紹介していきます。
こで紹介する遺跡は、ツアーに組み込まれることが少ないものも含まれているため、訪問する際は個人旅行で訪問するか、マイナーな遺跡を巡るツアーに参加してください。
できるだけツアーで行きたい場合は、丸一日自由行動があるものを選ぶと良いでしょう。
1:ベン・メリア
修復がほとんど行われることなく放置され、発見当時の雰囲気と姿がそのままに残っている巨大遺跡です。
「密林に眠る」という表現がぴったりなジャングルの中に埋もれた寺院であり、まるで発見した未開の遺跡を探索しているかのような気分が味わえる冒険心をくすぐるスポットです。
生い茂る密林の植物に「飲み込まれている」といえるほど植物によって浸食されており、その浸食度合いは先程ご紹介した「タ・プローム」の比ではありません。
近年では遺跡の周辺に相当数あった地雷の撤去も進み、安全に観光できるようになっていますが、地雷だけでなく崩壊した遺跡も危険であるため、あらかじめ足場が築かれている指定されたコースから外れずに観光してください。
2:バンテアイ・スレイ
クメール語で「女の砦」という名前を持つヒンドゥー教の寺院です。
周囲は約400mと小規模な寺院ではありますが、前面に施された精巧な彫刻が良い状態で残っているため観光客からの人気が高く、「東洋のモナリザ」の異名を持つ美しいデバター像があるのもこの遺跡です。
全てにおいて保存状態が良好な遺跡ですので、クメール王朝の遺跡の名物である彫刻やレリーフを楽しみたい方にお勧めです。
3:プリヤ・カーン
「聖なる剣」という意味の名前を持つ仏教徒ヒンドゥー教の習合寺院で、日本では「プリア・カン」と呼ばれることが多い遺跡です。
名前は、かつて遺跡内で発見された剣に由来します。
(聖なる剣はプノンペンの国立博物館に収められている)
アンコール遺跡群では珍しい、ギリシアの古代神殿を思わせる円柱状の柱を持つ、二層式の建造物を持つ一風変わった作りになっているのが特徴で、壁に施された大きなガルーダの彫刻が名物になっています。
アンコールトムの北大門からは、1.5kmととても近い場所にあるので、訪れる際はアンコールトムと一緒に回ってはいかがでしょうか。
まとめ
大小合わせると600にも及ぶ数の遺跡があるアンコール遺跡群には、有名な物からマイナーなものまで、特色ある遺跡が大量に存在しています。
この記事でご紹介したのは観光客が多く訪れる知名度が高めの遺跡たちですが、他にもたくさんの遺跡があります。
カンボジアに旅行する際は、ぜひ参考にしていろいろな遺跡を回ってみてください。
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