過敏性腸症候群
便秘が続き、そのあと突然襲う腹痛と下痢で思うように外出できない時などは、もしかしたら過敏性腸症候群かもしれません。
普段のおなかの調子はいかがですか。
便秘やお腹の張りに悩まされていませんか。
あるいは、しばらく便秘が続いたなと思ったら下痢をするというよう経験はありませんか。
車に乗っているとき、人と合っているとき、授業中など、急に激しい腹痛が来て下痢をする。
トイレに駆け込んでも収まったと思ったら、また腹痛があり、何度か下痢を繰り返すと嘘のようにすっきり治ったりしかせんか。
いつ何時その痛みが来るかわからないので、外出もままならない方などは、それって過敏性大腸症候群、混合型かもしれません。
過敏性腸症候群、種類、治療方法、効果のあるものについてご紹介します。
過敏性腸症候群って
過敏性腸症候群はIBSとも略して言われています。
症候群と名のつくものは病気ではありませんし、疾患名ではなく、そういう症状がある、ということなのです。
「腸が過敏になっている状態がある」ということです。
病気ではなくとも実際に過敏性腸症候群になった人は、日々苦しみ、そのことによって生活の質まで低下してしまいます。
過敏性腸症候群は女性の方が多く、年齢が上がっていくと改善傾向もみられるようです。
症状は様々ですが、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満、不安感などがあります。
過敏性腸症候群と診断するには基準があります。
・最近3か月間で、月に3日以上腹痛や腹部の不快がある。
・医師の診察で、腸の器質的疾患がないと診断される。
①便がでると腹痛はよくなる
②症状と共に便の回数が減ったり増えたりする
③症状と共に便が硬くなったり柔らかくなったりする
上記の2点と、これら①~③のうち2つがあてはまると可能性が高くなります。
過敏性腸症候群はセロトニンという物質と深い関係があります。
うつ病とかに関係があり、名前を知っている人も多いかと思います。
このセロトニンは神経伝達物質で、腸とも密接な関係があり、セロトニンは脳からストレスによって分泌され腸の動きを活発化させ、痛みを引き起こしていくんです。
簡単に言うと、
ストレス→不安→腸が収縮→知覚が過敏→強い腹痛→腸の水分バランスが崩れる→水分の吸収がうまくできない→下痢 このような感じでしょうか。
過敏性腸症候群の種類
過敏性腸症候群には3つの種類があります。
・下痢型
・便秘型
・混合型
今回は混合型に重きをおいてお話していますが、ほかの型も少し説明します。
下痢型
突然下痢となり、激しい腹痛をともなう場合もあり、粘液が混ざったような下痢が出ることもあります。
電車に乗った時、テストの前、授業中、試合の前、プレゼンの前、などなっては困るな~と感じると余計に腹痛が、下痢がというような状態になることがあります。
下痢の回数も多くなります。
まさにストレス、脳と関係が深いものです。
便秘型
ストレスを感じると便秘がひどくなり、腸が過敏に動すぎることにより狭く細くなり便が通りにくくなります。
腸に長く便がい続けることで、水分を奪われ、どんどん硬くなって、コロコロしたウサギの糞のような便になります。
そのことにり、腹部膨満などを引き起こします。
混合型
まさに便秘と下痢の混合で、しばらく便秘で出ないなと思うと、突如腹痛をともない下痢を引き起こします。
いずれにも属さないタイプというのもあるようですが、主にはこの3種類ですね。
過敏性腸症候群の治療と効果のあるもの
タイプによって治療は異なります。
普段から暴飲暴食を避けお腹に良いとされる食事を心がけることは大切です。
ヨーグルトや海藻類、発酵食品、プルーンやバナナなどお通じに良いとされているものがありますよ。
しかしちょっとした便秘や下痢と訳が違いますから、なかなか自力でなんとかするのは難しいでしょう。
早めに心療内科または消化器内科を受診するのがよいでしょう。
下痢型に対してはイリボーという薬が効果があります。
セロトニン阻害薬で、不安からくるセロトニン分泌を阻害して、腹痛や下痢を引き起こさせない効果があります。
便秘型と混合型には、以前より酸化マグネシウムや刺激性の下剤などが処方されていました。
しかし酸化マグネシウムは便を柔らかくするだけで、なかなか排出へと促されない場合もあり、効果は今一つでした。
そして下剤を使用して出すとなると、腸を刺激して蠕動運動を促すわけですから、痛みに過敏な人にとっては苦痛でしかありません。
その日は家から出られないということになりかねません。
しかしそんな便秘型、混合型の過敏性腸症候群の方に朗報があり、2017年3月リンゼスという新薬が発売されました。
リンゼスは便を柔らかくし、そして痛みを感じる部分にも作用し、腹痛を感じにくくさせるのです。
そしてグーフィスそいう新薬も登場し、また作用が全く違い、大腸に入った胆汁酸により水分分泌と大腸運動を促進させます。
人によっては2週間ほど、腹部の不快な症状がある場合がありますが、それを超えると落ち着いてくるそうです。
そして薬ではありませんが、先日テレビ番組で、キウイがものすごい便秘に効果があると紹介されていました。
夜にキウイを1つ食べる。便秘に苦しんでいる人は2つ食べると、これが大変効果があるようです。
とりあえずキウイを試してみるのもよいかもしれません。
まとめ
繰り返す便秘と下痢で外出もままならない方、本当にそのために旅行もおちおち行けないのではないでしょうか。
長年便秘のための新薬は出ておらず、何種類かの薬を内服し、コントロールも難しく、病院の薬はいらないとあきらめていた方も多いと思います。
そしてあらゆる便秘に良いとされる食べ物や飲み物、市販の内服薬など、色々試されたこととでしょう。
もう私はこういう腸なんだ仕方ないと、あきらめの気持ちの方もおられるかもしれません。
今このような新薬が登場したことにより、今までの苦痛は劇的に回復されます。
是非、心療内科、消化器内科をお尋ねください。
ちゃんと医師の診察を受け、過敏性腸症候群を診断されれば、これらの新薬を試すことができます。
両方を飲むことは出来ませんので、試して自分に合ったほうを続けていかれたらと思います。
とにかくそれより先にキウイをお試しするのもいいでしょうし、かなりしつこい便秘の方に効果があるとされています。
しかし、最後はしっかりとした病院で、診断されることをお勧めします。
「生兵法は大怪我のもと」と言うことわざもあります。
練習や経験の少ない武術を、頼りにすると、大きな怪我をすることになる、ということ。
いいかげんな知識や技術で、物事を起こそうとすると、とんでもない大失敗をしてしまう、という戒めのようです。 十分な経験にもとづく知識や技術でなければ、安心を得られない、ということかと思います。 別の言い方として、「生物識り川へはまる(なまものしりかわへはまる) =少しばかりの知識があると思って、軽い気持ちで物事を行うと失敗してしまうことが多い」。とも言うようです。
少しばかりの知識や技術を知っていると、それに頼って大怪我をすることがあるという戒めで、浅い知識やうろ覚えの技術は、かえって危険なことが多いという事でしょう。
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