東京ぶらり美術館巡り「竹久夢二美術館・弥生美術館」
東京の美術館をぶらり巡りその3「竹久夢二美術館・弥生美術館」を紹介します。
東京の美術館といえば上野が一番よく知られていますが、その他にも個性豊かな美術館がたくさんあります。
美術館巡りでは、美術館までの道のりや、近くのカフェで一息つくことも楽しみの1つとなることでしょう。
心がリフレッシュする素敵な美術館巡りをご紹介します。
竹久夢二美術館・弥生美術館
今回ご紹介するのは、東大近くにある竹久夢二美術館・弥生美術館です。
- 美術館の基本情報
住所:東京都文京区弥生2-4-2(竹久夢二美術館)2-4-3(弥生美術館)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、展示替え期間、年末年始
入館料:一般900円/高校生・大学生800円/小学生・中学生400円
美術館までの道のり
駅から美術館の館内までの道のりをご紹介します。
- 駅からのアクセス
地下鉄南北線東大前駅で降りて、美術館までは歩いて7分ほどですが、東京大学の敷地は広く、まず目にするのは農学部の正門で、赤門が有名ですが、他にも合わせて11の門があります。
美術館へは弥生町交番が見えたところで左に曲がりますが、ここで曲がらずまっすぐ歩くと赤門を見ることが出来、左に曲がって見えてくるのは、工学部の建物です。
国の登録有形文化財に指定されている建物もあります。
東大の建物は赤レンガと石造りの重厚なスタイルです。
しばらく歩くと、2手に道が分かれますので、右の方へ曲がります。
道なりに行くと右手に東大の弥生門が見えて、その左手に美術館があり、東大の目と鼻の先にあるのです。
- 館内
館内は、昭和の趣を感じられ、入口は弥生美術館の1階で、夢二美術館へは館内の渡り廊下でつながっているので、2館続けて見られるようになっています。
弥生美術館は昭和59年、高畠華宵(たかばたけ かしょう/1888-1966)を始め明治・大正・昭和の挿絵画家の作品を展示、公開するために開館しました。
夢二美術館は平成2年に開館しており、2つの美術館のコレクションを蒐集したのは弁護士の鹿野琢見(かの たくみ/1919-2009)です。高畠華宵と交流のあった人物です。
レトロな館内はタイムスリップしたような気分になります。
弥生美術館
弥生美術館についての紹介します。
- 弥生美術館とは
弥生美術館の「弥生」は、町名の文京区弥生から取られています。
弥生美術館では、明治・大正・昭和の出版美術や挿絵などのコレクションを展示しています。
創設者の鹿野さんは、9歳というまだ幼い頃、高畠華宵の絵に感銘を受けます。
それから36年後、高畠さんが明石にいると知って手紙を出し、交流が始まり、鹿野さんの家に高畠さんが何度も訪れるようになりました。
華宵の作品の著作権を得た鹿野さんは、華宵の死から18年後に、この弥生美術館を創設しました。
- 高畠華宵とは
高畠華宵は、美女・美少女・美少年を得意とした挿絵画家です。
竹久夢二のはかなく、頼りなげな女性とは異なり、色気と清楚さの合わさった、和顔とも洋顔ともとれる女性を描きました。
細長の伏し目がちな目と、少し紅の入った頬が特徴的です。
少女雑誌、少年雑誌、婦人雑誌の挿絵で人気になり、1920年代には竹久夢二と並ぶ人気画家になりました。
しかし、戦後は仕事がなくなり、神戸の老人福祉施設にいたところ、鹿野琢見が手紙を送り、交流が始まります。首都圏で回顧展を開くうちに、再び知られるようになりました。
竹久夢二美術館
竹久夢二美術館についての紹介します。
- 竹久夢二の美術館
竹久夢二の作品を主に所蔵する美術館は、東京の他、岡山県の「夢二郷土美術館」、群馬県の「竹久夢二伊香保記念館」、石川県の「金沢湯涌夢二館」、栃木県の「日光竹久夢二美術館」があります。
岡山は夢二の故郷であり、群馬、石川は滞在先で、ゆかりのある地です。
東京は、17歳の夢二が家出してやってきて、活動拠点となった地です。
その後、早稲田実業学校に入学し、学生時代からスケッチを投書するようになります。
現在竹久夢二美術館がある近くには、夢二が滞在していた「本郷菊富士ホテル」がありました。
ホテルは、東京大空襲で焼失してしまい、現在は記念碑が建てられています。
- 竹久夢二美術館について
創設した鹿野琢見の蒐集した夢二のコレクションがもとになっていて、日本画・油彩・書・原画・スケッチ・版画・デザイン・著作本・装幀本・雑誌・書簡・遺品・資料など約3,300点を所蔵し、常時約200~250点を展示しています。
夢二は、美人画の他にも、果物の千疋屋のポスターなども手掛けています。
東京でまとまった夢二作品が見られる、唯一の美術館です。
おすすめのカフェ
美術館近くのおすすめのカフェを紹介します。
- 夢二カフェ 港や
美術館の横に併設されているカフェです。
コーヒー、紅茶などの飲み物と、ケーキ、アイスクリームなどのデザート、カレーやパニーニをいただくことが出来ます。
席は1階、2階とあり、2階からは美術館の入り口の上にある彫刻や、外の景色を眺めることが出来ておすすめです。
店名の「港や」は、夢二が東京・日本橋に出したお店「港屋絵草子店」から取っています。
港屋は、唯一妻となった、たまきと離婚後に、たまきと子供たちの自立のために持たせたお店でした。
夢二がデザインした版画、千代紙、便箋などの小物や日用品が売られていました。
まとめ
東京ぶらり美術館巡り第3回は、東大近くにある竹久夢二美術館・弥生美術館をご紹介してきました。
日本一の大学である東大のすぐ脇に馴染んで、ひっそりと建っている美術館です。
弥生美術館は、創設者の鹿野さんが愛した高畠華宵の作品が見られる、珍しい美術館です。
一昔前の少女漫画の原点となるような、美しい人物画を見ることが出来ます。
竹久夢二美術館では、美人画の他にも色々な作品が展示されていて、夢二の創作活動を知って新たな発見があります。
ゆったりとした午後に美術館で、明治・大正・昭和時代へタイムスリップしてみるのはいかがでしょうか。
その1
その2
最終回
コメント