家庭で出来る、かなりおいしいフィナンシェの作り方(後編)

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前回のおさらい

フィナンシェの作り方(前編)

家庭で出来る、かなりおいしいフィナンシェの作り方(前編)
フィナンシェってなに? フィナンシェとは、卵白・アーモンドプードル・小麦粉・砂糖・バターで作られたフランスの伝統的な焼き菓子です。 フィナンシェ (フランス語: financier)またはフリアン(friand)とは、フランス起源のバターケーキや焼き菓子の一種。17世紀にナンシーの"L'ordre des Visita...

 

前回はおいしいフィナンシェを作るにあたって、どんな材料と道具が必要かについて解説しました。

材料としては、薄力粉(スーパーバイオレット)、アーモンドプードル、砂糖(三温糖)、バター(発酵バター)、卵白の合計5つが必要であり、道具としてはボウル、泡立て器、ゴムべら、フライパン、オーブン、そしてスクエア型(フィナンシェ型)があると良いという話です。

 

 

では材料と道具を用意出来たところで、さっそくフィナンシェづくりに取りかかりましょう。

といきたいところですが、その前に焼き菓子をつくる際の基本を押さえていきましょう。

 

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そもそも焼き菓子ってどうやって作るの?

きっと、焼き菓子を焼いたことのない方もたくさんいらっしゃるかと思います。

 

そのために、作業に取りかかるにあたってまずフィナンシェ含めた『焼き菓子全般』に共通する『作り方の基本』を押さえましょう。

 

1.計量

大抵の焼き菓子に共通のことですが、まず材料は先に全て計量してしまいましょう。

お菓子作りは『段取り』が大切です。

 

生地の状態を管理するにあたって、次の材料を投入するごとに計量していたのではキリがありません。

温度や気泡量、そして今回のフィナンシェの場合で言いますと、『乳化されている度合い』が時間経過で、ぽんぽんと変化していってしまいます。

 

焼き菓子は生地を『完璧な状態』で焼いてこそのものですので(そうすることで素材の良さを100%引き出すことが出来ます)、生地の状態を管理しながら作業するためにも、段取りの良さは大切です。

 

段取りよく作業するために、みなさん材料の計量は、全て先にこなしてしまいましょう。

 

余談ですが、多くのケーキ屋でも同様に計量は全て最初――場合によっては前日の夜のうちに全て、こなしているとのことです(もちろん例外もあります)。

 

 

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2.生地をつくる

計量が終わりましたら、次は生地を作ります。

 

とても大雑把な言い方をするとこれは『材料をすべて合わせる』という意味です。

ただし、この『材料を合わせる』という行為は簡単なようで難しいことです。

 

ただぐちゃぐちゃに合わせるだけということであれば、小さい子どもでも出来ることですが、これが簡単ではありません。

 

材料には材料ごとに固さや重さ、粒子の細かさ、温度、粘度、油脂や水分の割合に、小麦粉に含まれるたんぱく質の割合――そういった様々な性質の違いにより、このたかが『材料を合わせる』というだけの作業がとても困難かつ奥深いものになります。

 

例えばバターと砂糖と卵を合わせようというときに、全部まとめてぼんとボウルに入れてしまっては、材料がうまく混じり合いません。

 

固くて粘り気の高いバターが卵と分離してしまい、マドレーヌのような膨らます系の焼き菓子であれば、うまく膨らまなくなってしまいます。

 

 

このような場合の模範解答的な混ぜ方は次の通りです。

①バターを軽く砕く。(あるいは常温に戻す)
②砂糖を加え、混ぜ合わせる。
③適切に混ぜ合わせた後、卵を『少量』加える。
④加えた少量の卵が均一にバターに練り込まれるまでしっかりと混ぜ合わせる。
⑤再び卵を『少量』加える。
⑥卵がなくなるまで、加えて混ぜてを繰り返す。

 

このように混ぜ合わせることで、もとは異なる性質のもの同士が均一に混ざり合います。

均一に混ざった生地はよく膨らみ、舌触りも上質なものになります。

 

生地をつくる(材料を合わせる)際には、このようなことを意識しながらすると良いでしょう。

 

 

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3.焼く(焼成する)

オーブンを余熱して、焼きます。

言葉にするとただそれだけのことですが、これがまたくせ者です。

 

まず、普通の方であればお菓子を自分でつくって焼くときに、おそらく本屋に売られているようなレシピ本に載っている『焼き温度』『焼き時間』に従って焼成することでしょう。

 

しかし、これは大きな間違いです。

例えばある本では『155度で25分焼け』と指定されているものが、実際に家にあるオーブンで試してみると、いつまで経っても生焼けだったりすることがあります。

これは、オーブンごとに熱の伝わり方や火力、火の入る速度などが大きく異なっていることが原因です。

 

オーブンが違えば、焼く時間、温度は大きく変わります。

場合によっては同じ会社の同じオーブンを使っているときでさえ、温度や時間にずれが生じることは多々あります。

 

こういった問題に対処するためには、解決方法はひとつしかありません。

それは、焼き菓子を焼くその当人が『オーブンの中にある生地の状態』を見極めることが出来るようになることです。

 

 

生地の状態さえ分かれば、適切な温度や時間もおのずと分かるようになります。

そのためには、ともかく『よく見る』ことが大切です。

 

オーブンのガラス戸越しに中にある生地の表面や膨らみ方を凝視し続けるのです。

 

生地を入れ、熱が伝わり、次第に気泡が生地を押し上げて全体が膨らみはじめ、膨らみの速度が加速し、やがてその膨らみが頂点に達したその『少し後』、つまり、最大まで膨らんだ生地から蒸発する水分の速度が少し弱まりだしたそのときが、最適な焼け具合です。

 

そのタイミングでオーブンから取り出せば、生地は完璧にちょうど良いおいしさを保った状態で、完成してくれていることでしょう。

 

 

 

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まとめ

焼き菓子の基本は、

①まず全ての材料を計量する。
②材料を『均一に』混ぜ合わせて生地をつくる。
③生地の状態を『よく観察しながら』オーブンで焼き上げる。

ということが大切です。

 

これさえ抑えておけば、いつもの焼き菓子がちょっと美味しくなるはずですので、みなさんぜひこれらを頭の片隅に置きながら焼き菓子を作ってみてください。

 

 

 

続編

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